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TRES ATHLETE CHALLENGE DOCUMENT VOLLEYBALL:002

Sho Takahashi 高橋 頌

PROFILE

1995年1月2日生まれ。埼玉県出身。小学校1年の時に家族の影響でバレーボールを始め、春日部共栄高校、大東文化大学へと進学。大学時代は2部リーグでベストリベロ賞やサーブレシーブ賞を4年間ほぼ毎年受賞する。大学在学中からVリーグ2部の埼玉アザレアへ入団し、リベロとしてプレー。ワンシーズンを通じてサーブレシーブ返球率72.7%を記録し、全体ランキングでは2位を獲得。2018-2019シーズンオフに海外でのプレーを希望し埼玉アザレアを退団。2019-2020シーズンからはプロバレーボール選手としてモンゴルリーグでプレー、その後ブルガリアでの練習生を経てポーランドのクラブ『LUK Politechnika Lublin』と正式契約。リベロとして活躍する。2部から1部への入れ替え戦直前にコロナウィルスの世界的大流行となり、緊急帰国を強いられる。現在、2度目の海外進出に向けて活動中。2019年よりTRES VOLLEYBALLとサプライ契約を締結。

| Episode1 |

「 よりレベルの高い環境へ行くため、退路を断つ 」

野球やサッカーに比べて海外で活躍するプレイヤーがまだまだ少ない男子バレーボール。成功事例も少なく、方法論が確立されていないのが現状だ。そんな中、あえてV2埼玉アザレアを退団し勤務先も退職、退路を断って海外進出にチャレンジしているアスリートがいる。高橋頌選手である。1度目の挑戦で掴んだポーランドのクラブとの契約。その後のコロナ禍による強制帰国。そしていま、ふたたび海外進出に向けての再始動がはじまる。

― ずっと小・中・高と大好きで続けてきたバレーボール。一度だって嫌いになったことはなかった。生活の中心にあるぐらい、大切な存在でした。だけど大学時代、自分の弱さに流されてバレーボールとの向き合い方が“なあなあ”になっていた時期があったんです。もっと真剣に選択すべきところでそれができなかった。大きな挑戦もできたのに、ラクなほうを選んでしまった。

そのまま実業団で数年プレイし続けるんですが、自分の中ではずっと葛藤がありました。もっとレベルの高い環境に身を置きたい。もう一度本気でバレーボールに向き合いたい。にも関わらず出場機会はどんどん減っていく。思いと現実とのギャップに悩み、焦り、後悔が募るばかりでした。このままでいいのか?よくない!で、あればいまの立場を捨てて、ヨーロッパのトップリーグを目指そう。思い切ってチームを退団し、勤め先も辞めました。自ら退路を断ったわけです。

最初はしんどかったですね。ヨーロッパのチームがその国の代表でもないアジア人とプロ契約を結ぶというのはやはりハードルが高い。

エージェントを介していろいろと当たってもらうのですが、オファーがぜんぜん来ません。半年ぐらいは本当にこの選択で良かったのか不安でした。周囲からの反対意見もありましたし、暗闇を歩いているような日々でしたね。

そうこうするうちにモンゴルリーグで外国人を入れて強化する、という話が来て、1ヶ月半ぐらいでしたが呼んでもらいました。そこでリベロ賞やMVPを獲って、ちゃんと結果を残せたのは自信につながりました。その後、ブルガリアのトップリーグに練習生として参加している時にポーランドのチームからオファーがかかったんです。すぐに飛行機でポーランドに向かい、練習に合流。直接プレイを見てもらい、プロ契約を勝ち取りました。

ポーランドはレベルが非常に高くて、特に1部リーグは世界でも最高峰。各国の代表選手が集まってチームを作っているんです。僕のチームは2部でしたが上位のほうで、1部への入れ替え戦も決まっていました。でも、その直前にコロナウィルスの世界的な流行が。ポーランド国内の試合は全て中止となり、僕も日本に帰国せざるを得なくなりました。

| Episode2 |

「 コントロールできないことには目を向けない 」

苦労の末に掴んだ海外初進出でのポーランドチームとの契約。ようやく求めていたハイレベルな環境でプレイができる、と意気込んだものの、コロナウィルスで全てが水泡に帰してしまった。しかし高橋選手は「それも試練」とあくまで前向きである。実質ゼロからのスタート。再びプロ契約が獲れる保証もない。にも関わらずいったい何が彼をここまでアグレッシブに駆り立てているのか。その強靭なメンタルの秘密に迫る。

― ポーランドのチームでは評価もされていて、そのまま行けば1部リーグで世界最高峰の相手を倒すところまでいけたと思います。それが白紙になったことに対しては…試練かなと。そもそも海外初挑戦なのにポーランドでプレイできたことがすごいことですし。大きなチャンスがつかめたわけですよ。それがコロナでなくなったのは、世界の檜舞台で戦うのはそんなに簡単なことじゃないんだぞ、と言われているような気がするんです。そうだよな、そりゃそうだよ、と逆に闘志が湧いてきますよね。

やっぱりコントロールできないことに意識を向けても仕方がないと思うんですよ。たとえば海外に渡ったからといって現地のチームからオファーが来るかどうかは自分ではコントロールできないわけですよね。逆にエージェントを通じてクラブに連絡とってもらって練習に参加する。その中で実力を見てもらい契約に持ち込む。これらは意志次第でどうとでもできます。そういう部分にどんどん目を向けていくようにしているんです。コントロールできないことを見ていてもただ時間が過ぎるだけ。できることに目を向けて、ヨーロッパのトップリーグで戦うという目標達成に向けて積み上げていく感覚ですかね。

もともとリベロって我慢強さが求められるポジション。そこに僕のキャラクターが重なって、よりメンタルが強靭になっているのかも。あとはポーランドのチームで自分から考え方や気持ちを伝えたり、プレイを評価されたことも大きい。自ら行動して道が作れたという手応えですね。いまは2回目の海外進出に向けての準備段階なんですが、コロナによって海外チームの状況は決して良くはありません。でも待っているだけでは契約は進まない。だから自分から動く。不安どころかワクワクしているぐらいです。

海外での日本人プレイヤーが評価されるポイントは、やはり細かな技術面でしょうね。パスにしても動きにしても繊細さが光ります。海外は身長の大きな人が多くて、ボール扱いが上手い選手もいますが、それでも日本のディフェンスシステムや技術レベルの高さは際立っていますからね。アジア人のリベロがヨーロッパへいくとディフェンスについて聞かれることが多いですよ。そこでいろいろと提案ができるのが強みだと考えています。

| Episode3 |

「 できるかできないかじゃなくて、やるかやらないか 」

レベルの高い環境で自分を磨きたい。その思いひとつで目標に向けて邁進しつづける高橋選手。彼がクラウドファンディングサイトに投稿した文章を読んでほしい。初回挑戦時と今回の文面を比べると、格段の成長を遂げていることがわかるはずだ。目標はヨーロッパのビッグクラブで活躍し、成績を残し、日本代表として凱旋帰国すること。もはや高橋選手にとって海外進出は特別なことではない。目標達成のために必要なプロセスに過ぎないのだ。

― 2度目となる海外進出への挑戦ですが、上手くいく保証はありません。ただ練習参加から契約へ持ち込むという自分なりのやり方は確立されたので、そのスタイルでチャンスを掴もうと思っています。初回同様、退路を断つことでプロ契約やリベロを欲しがっているクラブの情報に敏感になれるはず。

SNSも海外で自分を売り込んでいくときに非常に有効です。海外のクラブに自分のプレイ動画や履歴書を送ることもできますし、現地クラブのメンバーとの連絡もFacebookです。なによりフォロワーが10万人ぐらいいれば、その分も評価の材料になりますから、積極的な発信を心がけています。

とにかくアグレッシブに存在感をアピールしていかなければはじまらない。それが海外での活動のベースです。ちなみに渡航費用捻出のためにクラウドファンディングを利用しているのですが、1回目の未達に対して2回目は150%とハイ達成でした。この違いは応援してくれる人と直接つながるかどうかの差。前回の経験で、実際に会いに行くことの重要性を痛感したんです。今回はその行動が信用に結びついて達成できたんだと思います。

目標としている選手は全日本代表のリベロ、古賀選手です。古賀選手も日本から飛び出してポーランド1部リーグで活躍されていました。だから僕は古賀選手の上を行きたい。尊敬するとともに超えるべき存在でもあるんです。海外に活動拠点を置いているバレーボール選手って非常に少ないんですよ。代表に入っていないとさらにハードルが高くなります。ヨーロッパでは特に代表の肩書がないと気に入ってもらいにくい。エージェントもこの選手はナショナルチームに入っていたのかとクラブから必ず聞かれるそうです。

でも僕は直接足を運んでその壁を切り崩していきます。声がかかればすぐに飛び込んで成果を出し、契約を勝ち取る。本気で人生をかけてヨーロッパのトップに行きたいと覚悟を決めていますから、誰に何と言われても突き進んでいける。そして海外で実績を積んで日本に凱旋帰国する。できるかできないかじゃなくて、やるかやらないかなんです。

TRES ATHLETE CHALLENGE DOCUMENT VOLLEYBALL:002