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TRES ATHLETE CHALLENGE DOCUMENT FOOTBALL:002

Momoko Tanaka 田中桃子

PROFILE

2000年3月17日生まれ。長野県出身。Weリーグ 日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属。背番号は1。ポジションはGK。168cm65kg
厚木市の荻野サッカー少年団で本格的に始め、FC厚木ガールズを経て日テレ・メニーナへ入団。2018年にトップチームの日テレ・ベレーザに昇格。2019年、プレイタイムを求めて大和シルフィードへレンタル移籍。2021年にベレーザ復帰。同年、サッカー日本代表(なでしこジャパン)に初招集され日本代表デビュー。

| Episode1 |

抜群の嗅覚と判断力でゴールポストを死守する田中選手。サッカーを始めたきっかけや、GKへのコンバート、日本代表活動について、TRESフットボール事業部、現役女子サッカー選手でもある茶屋がインタビュー。

茶屋) 本日はよろしくお願いします。私もインタビュアーは初めてなので、少し緊張しています(笑) まずはじめに、自己紹介をお願いします。

田中選手)日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属の田中桃子です。サッカーを始めたのは幼稚園の年長の頃です。幼稚園にサッカースクールのポスターがあって、それを見て始めようと思いました。よくサッカーを始めたきっかけは兄弟の影響と答える人が多いんですが、私は一人っ子なので(笑) 突然自分からやりたいと言い出して、気づいたらサッカーをしていました。小学校は地元のサッカー少年団に入団しました。その1年後女子チームに入りましたが、その時はフィールドプレーヤーで、GKは小学5年生から始めて、小学校はFPもGKもどっちもやっていました。中学校からメニーナに入って、高校卒業までの6年間をメニーナでプレーしました。大学1年生はベレーザのTOPに上がって、大学2年生、3年生は大和シルフィードへ期限付移籍をし、去年2021年のシーズンにベレーザへ帰ってきました。

GKになったきっかけ

茶屋) ずっと気になっていたんですけど、サッカーを始めてチーム内でポジションを決めていく時に、現在のGK(ゴールキーパー)は自分から『やりたい』と手を挙げたのですか?

田中選手)いえ。小学校の時先輩のGKが卒業してしまうタイミングで誰がやる?となり、その先輩と仲が良かった・身長が高かったという理由でGKをすることになりました(笑)

茶屋) 意外な理由ですね。田中選手の中でFP(フィールドプレイヤー)をやりたいという思いはありませんでしたか?

田中選手)GKは小5で始めましたが県トレセンにも選ばれましたし、自分で言うのもなんですが素質はあったのかなと(笑) 幸い辛いこともなくただ楽しくできていたので、FPに戻りたいという思いはありませんでした。

茶屋) 私からすると、やっぱりGKは得点されるシーンだったりどうしてもマイナスな場面で注目される事も多いかと思ってしまって。それでは日本のTOPでプレーされている選手として、GKというポジションの魅力はどういったところだと思いますか?

田中選手)確かにマイナスな場面で注目を浴びることは多いですが、相手がしてきたことを思い通りにさせないとか、相手がやろうとしていることを阻止した時の征服感が魅力ですね。DF(ディフェンダー)とかも同じだと思うので、守る人にしか無い感覚かもしれませんね。いろんなことをやるよりは『止める』といったように、一つだけに集中してやることが自分に向いているとも思っているので、そこも魅力の一つですね。

茶屋) 失点に対して辛いとか思ったりすることは無いですか?

田中選手)もちろん失点の度に『悔しい』とは思いますが、GKにとって失点は切っても切り離せないものだから。他のポジションも同じかもしれませんが、いろんな得点シーンがあって無限に成長があるので、そこも面白さの一つだと思っています。

茶屋) そもそもそういった楽しみ方ができているんですね。私は普段は対峙する側(FW)なので、とても興味深いお話です。話は変わって、ベレーザに入団した翌年に大和シルフィードにレンタル移籍されています。そもそもレンタル移籍って自主的に決断をして移籍するような形ですか?

田中選手)スタッフから提案されたのがきっかけですが、最終的には自分で判断しました。その年のフランスW杯は自分の同期も出ている中でその舞台に立つことが出来なかったので。日本代表に選ばれるためには試合に出ることが最優先だし、18歳でU-20のW杯に出たいという思いがあったので、レンタル移籍を決断しました。

茶屋) レンタル移籍は文字通り、レンタルって付いていますが、何か期限が来たらベレーザに戻れることが決まっているような契約なんでしょうか?

田中選手)レンタル移籍は無条件で帰って来られる保証はありません。ただ、当時絶対的な守護神の山下杏也加選手がいた中で、このままチームにいてどれだけ自分が戦力になれるかを考えた時に、大和シルフィードへ行くべきだと思いました。移籍して出場機会が多くなり、結果として今こうして帰って来れたのかもしれないと思いますし、決断して良かったと思っています。

個人、チームについて

茶屋) 田中選手といえばこれ!といった得意なプレーはどのようなプレーがありますか?

田中選手)ハイボールの対応、クロスボールへの飛び出しですね。そこの積極性は磨いていて、これからも伸ばしたいと思っています。

茶屋) 状況判断が必要とされるプレーだと思いますが、その2つが自分の武器だなって気付いたきっかけはありましたか?

田中選手)中学まではあまり得意ではなかったのですが、メニーナの先輩GKとジャンプを強化しようとなったのがきっかけです。いろんなトレーニングメニューをするようになり、それがきっかけで自分のアピールポイントとなりました。

茶屋) 得意でなかったものが今はストロングポイントになってるって凄いですね。そういった意味では自主練などは積極的にされますか?

田中選手)GKを集めた自主練があって、オフ期間やオフの月曜日はそこに入り浸ってトレーニングを積んでいます。

茶屋) なるほど、そんな環境があるんですね!オフ期間も自主練をされているとのことでしたが、練習以外は普段何をして過ごしていますか?

田中選手)午後は練習なので、午前中は家でゆっくりすることが多いです。週1回はジムに行ったり、身体のケアをしたりもしますが、基本的には家にいますね。

茶屋) 家で過ごされているんですね!チーム内で仲の良い選手は誰ですか?

田中選手)植木理子選手や北村菜々美選手ですね。コストコに行っておいしいものを食べたり、みんなでグランピングをしたりもします。

茶屋) 結構アクティブに過ごす時もあるのですね。趣味が料理と聞いたのですが、料理はよくされますか?

田中選手)料理は好きですね。特に誰かの為に作るのが好きで、ベーグルを作って持っていったりします。チームメイトが毎回褒めてくれるので嬉しいです(笑)

茶屋) 料理できるの羨ましいです!今度ご来社頂く時にはぜひお手製ベーグルお持ちください(笑) 個人のお話を聞かせて頂きましたが、チームは現在どのような雰囲気ですか?

田中選手)今年のチームは褒めるとこは褒めたり、感情を出していこうという空気が特に強いチームになっていると思います。昨シーズン、選手は揃っているのに勝てなかったことで、選手の入れ替わりも多くありました。

茶屋) 感情を出したり、新しい選手がいたりとまとめるのが難しそうですが・・・結束できているのには何か理由があるのでしょうか?

田中選手)先輩の宇津木瑠美選手ですね。宇津木選手はチームのムードメーカーとして、思ったことは何でも伝える、ポジティブな言葉を素直にかけてくれる選手です。宇津木選手からそういう連鎖が自然とチームに起こるようになっています。チームでそうしようと決めているわけではありませんが、年上の先輩がふざけたり、明るく振舞ったりしていてチームの雰囲気が明るくなっています。ただそういう中でも、切り替えがしっかりしているのがすごいところで。明るく楽観的にやる部分と、切り替えて真面目にやる時はやるといったようにできる人が多いですね。

茶屋) チームの中に1人そういった選手がいると空気が変わりますし、チームの中で自発的にそういった事が起きてくるのは理想的ですね。

なでしこジャパンへの招集

茶屋) 元々、田中選手は世代別でコンスタントに代表に選ばれているイメージが強かったのですが、正代表に選ばれた時はどういう気持ちでしたか?

田中選手)サッカー選手として活動している中ではもちろんずっと目指していた目標だったので、純粋に嬉しい気持ちでいっぱいでしたが、それと同時に『本当に選ばれたんだ』という気持ちでその日の練習は落ち着かなかったです(笑)

茶屋) そうですよね。日本代表のGKですもんね。ちなみに代表招集の連絡ってどんな流れで伝えられるんですか?

田中選手)大体はクラブのスタッフから聞くことが多いです。私の場合は、練習の途中でGKコーチから『選ばれたらしいよ?』みたいな感じで聞きました(笑) 初めは信じられなかったんですが、ベレーザは選ばれる人が多いのでそういった形で耳に入ることも少なくはないです。

茶屋) 選出される選手が多いとそういった報告になるのですね(笑)世代別代表と正代表で何か違いはありましたか?

田中選手)世代別と正代表どちらも池田太 監督で、コンセプトが同じなのでやりやすいです。

茶屋) どちらも兼任されるのは珍しいですね。池田監督はどのような方ですか?

田中選手)太監督は言葉で伝える・言葉でチームに共通認識を持たせることを大事にされている監督です。練習からそういったことをしているから、どんな状況でも言葉一つでチームがすぐに共通認識を持って、同じ方向を向くことができています。いろんな環境のトップレベルでやってきて自分の個性を持っている中で、やることを強制せずに選択肢としてそういった言葉を映像などを駆使しながら与えてくれるので、とてもわかりやすいです。

茶屋) やっぱり代表の舞台は緊張しますか?

田中選手)緊張はしないです!(笑) 17歳の時のW杯決勝で緊張してしまい、プレーが全然思い通りに行かず味方に助けられたという経験がありました。そこで自分は緊張がプラスに働くタイプではないことに気づいたので、緊張はしないように心がけています。

茶屋) 意識して緊張しないようにできるんですか。どうやったら試合で緊張しないか教えてください!(笑)

田中選手)緊張しそうになったら一回試合を忘れるくらいの勢いで、集中しすぎないようにしたり、気づいたら試合がはじまっているくらいの感じで挑んでいます。何か特別なことをするのではなく、自分が緊張していると思ったら『やばい、緊張してるかも~』とあえて口に出したりしています。

茶屋) 確かに、口に出してしまえば楽になりそうですね。今度私も試してみます!ちなみに選手として、何か今後の計画とか展望、夢のようなものはありますか?

田中選手)そんなに明確に何歳でこれがしたいというのはあまりありませんが、W杯で優勝したいという明確な目標があります。U-17は準優勝・U-20はコロナで中止になってしまったので、優勝という景色をなんとしても見てみたい。その為にも2023年のW杯のメンバーに入って、ただ入るだけじゃなくて自分が力になって優勝したいという思いが強いです。その先は2027年のW杯も視野に入れながら頑張りたいと思っています。引退とかは今は全く考えていなくて、GKは選手生命が長いからやれるとこまでやりたいと思っていますが、引退したらベーグル屋さんやろうかな~(笑)

茶屋) ベーグル屋さん、本当にできそうです(笑)その時はオープン初日に食べに行きますね!2011年の優勝の時は女子サッカーが注目されていたので、女子サッカー界の発展の為にも、是非優勝して頂きたいです!そのW杯に向けて、何か個人的に強化したい点はありますか。

田中選手)海外を相手にしていく中で、強化することで勝てるかといわれると難しいとは思いますが、GKとしてフィジカルの部分を強化したいと思っています。ベレーザとしてはFPのビルドアップとかに関わりながらセーブ以外の攻撃でも味方を助けられるようにしたいと思っていて、今はまだ苦しい状況だと焦ってしまったりするから、判断の部分は課題ですね。

茶屋) GKが攻撃参加するだけで一気に数的優位な状況を作り出すことができますし、守備の方向が限定しにくくなると、攻撃の選択肢も広がりますね。今シーズンは田中選手攻撃参加も注目して見たいと思います!

「絆」という繋がり

茶屋) 今回のテーマ「コネクション」「人との繋がりやチームの繋がり」を感じたエピソードを聞かせてください。

田中選手)今シーズンは宇津木選手をはじめとして年上の選手がすごく明るく振舞ってチームの雰囲気を良くしてくれていて、自分もそうやってどんどん言っていかなきゃというか、言っていいんだと思えましたね。そうやって言ってくれる人がいるから頑張れる、その人の為に頑張るみたいなところは昨シーズンも思っていましたけど、今季はより一層思います。

茶屋) そういうきっかけをくれる存在は大きいですよね。田中選手は普段どのような声をかけていますか?

田中選手)厳しいことも時には言いますけど、みんながマイナスな気持ちを持ってしまわないように、厳しいことを言うにもプラスに繋がるような言い方や言葉選びを意識しています。年齢やプレースタイルも人それぞれだし、いろんな考えを持った選手がいるので、言い方は特に気を付けています。

茶屋) 捉え方は言い方で大きく変わると思うので、そういった考え方は非常に大事ですね。次は女子サッカーについてです。私自身もプレイヤーとしてではなく客観的にみても、女子サッカーはどうしても男子サッカーより規模が小さいという現状があるかと思います。そういった中で田中選手の思う女子サッカーの面白さ、魅力はどこにあると思いますか?

田中選手)女子サッカーはスピードやパワーが無い分、戦術の部分というか味方の繋がりが無いとそもそもコートの幅を使えないので、そういうタクティカルな部分に面白さがあると思います。男子はやっぱりスピードやパワーだったり迫力を楽しんで見れると思うんですけど、女子には無い分、戦術をじっくり楽しみたい人にとっては観やすいというのが魅力の一つだと思います。もちろんスピードやパワーもこれから付けて行くべきだとは思いますが、男子サッカーと比較するならそこが魅力だと思います。

茶屋)より緻密なサッカーってことですね。 ありがとうございます。女子サッカーを観る時は戦術に注目して観てみたいと思います!私もそう言う戦術理解できるように頑張らないと。最後に、WEリーグが開幕しましたが、今シーズンの意気込みをお願いします。

田中選手)去年は皇后杯もリーグタイトルも取れずに終わってしまっていて。ベレーザは無冠で終わったシーズンは2013シーズンぶりなので、ある意味歴史的なシーズンにしてしまったという思いがありました。やっぱりベレーザは強いというイメージを背負っているチームなので、結果にはこだわりたいと思っています。まずはリーグをしっかり取る。皇后杯は去年の借りを返して、優勝したいと思っています。

茶屋) 日テレ・東京ヴェルディベレーザは女子サッカー界では誰もが憧れを持っているチームなので、リーグ・皇后杯ともに優勝してほしいです。応援しています。本日はありがとうございました! 

田中選手)ありがとうございました!

※実際にインタビュー後の皇后杯 JFA 第44回全日本女子サッカー選手権大会では決勝をINAC神戸レオネッサを4-0で下し、見事王者に返り咲いた。

TRES ATHLETE CHALLENGE DOCUMENT FOOTBALL:002