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TRES ATHLETE CHALLENGE DOCUMENT BASKETBALL:005

Shota Watanabe 渡辺翔太

PROFILE

1998年11月24日生まれ。栃木県出身。B.LEAGUEの仙台89ERS所属。背番号は15。ポジションはPG。168cm75kg。宇都宮工業高校で、インターハイやウィンターカップに出場。明治大学のトライアウトを受け、大学でプレーをしつつ、大学3年時に特別指定選手として仙台89ERSへ。そのままプロキャリアをスタート。プロ3シーズン目。

シンデレラボーイとしての記憶もまだ新しい渡辺選手。高校からの軌跡を、なんと偶然一緒にプレーしたこともあるTRESのブランドディレクターKCがインタビュー形式で紐解く。

ワンマンシューターからの変化

渡辺選手)
高校の時は自分のワンマンのようなチームで、シューターでした。ボール運びをしてピックアンドロールを使って3ポイントを打つのような攻め方をしていて、1試合で3ポイントを20本打つ試合もありましたね。
明治大学進学後、齋藤拓実選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ所属)や、綱井勇介選手(西宮ストークス所属)がいたので、先輩たちのプレーを参考にして自分が得点を取るだけではなく周りを生かしたパスやアシストをするプレイを覚えました。
その時も3ポイントは自分の中の武器として自信はありました。それでも、プロになってからは自分のところのミスマッチで背負われて得点されたりと苦労した部分はあります。

KC)仙台89ERSに入団後、プロキャリア初めてのB1ですが、昨年との変化はありますか?

渡辺選手)
一番はやはり、ガードやウィングのサイズですね。普段と同じようにやると簡単にカットされてしまうので、何かひと工夫が必要だと感じています。あとはどのチームの選手もサイズが大きい分、コンタクト(接触)を嫌がらず、体を当てにくるプレーが多いと思います。

KC)セオさん(仙台89ERSヘッドコーチ藤田弘輝氏)の記者会見で“渡辺選手のところでポストを取られた場面があったように感じますが、明日の戦いではそこをどう修正しますか?”
という質問に対して、“ミスマッチくらいプロだから自分でなんとかしてくれるだろう”と発言されていて、プロとしてコミットしてくれると選手を信じているコメントでセオさんらしいなと感じました。B2でもB1でも身長差は目立つ中で、自分の中で工夫していることや徹底していることってありますか?

渡辺選手)
おそらくその話は開幕戦の福島戦ですよね?基本福島にはポストアップされていたので(笑)
これまでなかなか露骨にポストアップされることがなかったので、どう守ればいいのかわからなくて正直苦労しました。そこでオフシーズンを中心に、ポストの守り方をたくさん練習したんです。もちろんB1でもポストアップされることはありますが、ポストでボールを貰われた時に詰めるのではなく、適度な距離感を持って駆け引きをするようにしています。相手が無理やり押し込んできたら、押され負けないという気持ちで予測してコンタクト(接触)するので、冷静に対応できるようにはなったと思います。正直、去年はポストで苦労していた部分がありますが、オフシーズンで取り組んだ甲斐もあって、自分のミスマッチきっかけでディフェンスを崩されることはなくなったと思います。

KC)なるほど。コンタクト自体には自信がある、自信をつけられるようになったオフシーズンだったと。シュートに関しては305cmの高さのリングの特性上、大きい人の方が有利。ただし、ドリブルに関しては地面につくものだから、小さい人の方が有利だと個人的には思っていて。その中で、スティールされないようにだとか、TO(ターンオーバー)しないように意識していることはありますか?

渡辺選手)
やはり限られた話にはなりますが、ボール運びでも基本的に自分より大きな選手ばかりで、相手に背中を向けてしまうと、アームスパンの差でバックチップ(後ろから手を伸ばしてボールをカットする行為)されたり、フィジカルで押し込むことも難しいんです。その中で自分の最大限の強みはスピードだと思っているので、必ず正面を向き続けることを意識しています。もちろんよく見かけるような、背中でボールを守りながらのゲームコントロールができればそれに越したことはないけれど、まずはスピードを使ってスペースにとび込んだり、相手が嫌がりそうなことを考えてやっています。小さい選手は気持ちで引いたら負けなので。他の人たちは相手のスティールやパスカットを予測していない場面でも、自分の場合は良くも悪くも常にスティールされるかもしれないという危機感を持ち続けることができるので、ボールキープケアをすることができています。

KC)身長差からスティールされるかもしれないってずっと考えて動き続けるってめちゃめちゃハードな気がします。

渡辺選手)
練習を相当ハードに、本当にハードにやりこんでいるので、心肺機能的には試合の方が楽ではありますよ。(笑)
それでもやはり自分はディフェンスメインで重点を置いているので、そこはバランスを見て運動量は絶対落とさないようにしています。

自分のプレーをBリーグで発揮することが恩返しになる

渡辺選手)
明治大学に入った時はプロを目指してすらいなかったんです。勉強して就職、バスケットはSomecityとかストリート系を目指そうかなと。その中で齋藤拓実選手などからPG(ポイントガード)を学びながら試合に出られていたのですが、それでもプロを目指す気はまだなかったんです。2年生の時に拓殖大学(当時関東1部)で岡田侑大選手(信州ブレイブウォリアーズ所属)と試合をしてボコボコにされまして。同じ1部なのにここまでやられるのは悔しいなと思い、Twitterからマークさん(マーク貝島氏、茨城ロボッツGM)にDMで個人のワークアウトをお願いします!って依頼したんです。そこから大学生活中は個人ワークアウトをお願いしつつ、そのままの流れでSHOEHURRY!の平さんと出会いマネジメントをしてもらえることになりました。最初はピンときていなかったのですが、マークさんや平さんの期待やサポートもあって、“自分がBリーグで通用するのか試してみたい”という気持ちになりました。
その後は卒業を待たずにBリーグに行きたいと伝えて、平さんと相談をして最終的に仙台89ERSに入団できました。代々木公園のバスケットコートで毎日のように早朝ワークアウトなどをしてもらっていて、この恩を返すためには教わったスキルやマインドセットをBリーグで発揮するしかないと強く思いました。もちろん一緒にワークアウトした仲間の影響もあります。ストリートボーラーのKOSUKEさんなどともワークアウトを一緒にさせてもらって、そういった方々のマインドセット(ハングリー精神)などは一緒にプレーしている自分を引き上げてくれましたし、こういうエッセンスも取り込んで今の自分があると思っています。

KC)これ、SHOEHURRY!のいい宣伝になっちゃうなぁ(笑)

渡辺選手)
すいません(笑)。でもこれ以外考えられないってくらい大きなきっかけをいただいたのは事実だったので。SHOEHURRY!として組織が誕生する前からお世話になっていて、最初は本当にマンツーマンで個人ワークアウトだったんですけど、いつのまにか15人とか集まってゲームしたり、規模が大きくなってました。志の高い選手しかいないのでとても刺激になりました。

KC)平さんとしてもGMのマークさんとしても、茨城とやりますとか北海道とやりますって嬉しいだろうなぁ。

渡辺選手)
そうですね、茨城にはマークさんがいますし、レバンガ北海道には寺園脩斗(SHOEHURRY!)選手がいます。SHOEHURRY!同士の対決は泣いちゃうかもって言われますね(笑)

KC)最後にファンの皆様へ一言お願いします。ちなみに去年は負けが混んでいる時に寒竹さんにインタビューして”俺らは絶対大丈夫だから信じて欲しい”と伝えてほんとにB1昇格するっていうめちゃくちゃかっこいいことやってくれました。(笑)

渡辺選手)
プレッシャー(笑)。まずは6シーズンぶりのB1で楽しみにしてくれている方がたくさんいると思います。セオさんの目指すバスケは勝ちにこだわることは当たり前だけど、観てくれている方に、熱いプレーを通して生きるパワーやエネルギーをいかに伝えられるか、与えられるかが仕事だと思っているので、そこを体現できるようにしたいです。また多くの人がB1残留を最低条件にと捉えていると思いますが、自分たちはファイトしてもっと上を目指していきたい。昨年に負けず劣らずのいいチームになっているので、黄援という形でサポートしてもらえればと思っています。

KC)ありがとうございました!また別機会があれば、30分くらい時間とって乃木坂46のことも深掘りしていきましょうか。

渡辺選手)
30分じゃ絶対足りないと思いますが、よろしくお願いします(笑)

KC)じゃーだめだ、やめよう!

渡辺選手)なんで!!お願いしますよ!!!(笑)

| Episode3 |

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